熱燗で晩酌

「もう1本、燗つけて」という至福の時
「若い頃は揚げ物もステーキも大好きだったけど、この頃は脂っこいものが受けつけなくなって…」。
シニア世代の大人達からよく聞く言葉。思わず「本当にそうだよねえ」とうなずいてしまいたくなる人もいるのではないでしょうか。
確かに、年齢を重ねると、味の好みも変わってきます。脂っこいものよりも、さっぱりとしたものや和食が好きになるのはごく自然なこと。ステーキとワインよりも、魚の刺身や塩焼きとうまい日本酒を楽しみたいと思う人も多いでしょう。
また、お酒の飲み方も変わってきて「昔のように豪快に、酔いつぶれるまで何杯でも飲むということができなくなったよ」という人も。
そういう人はきっとお刺身や漬け物、あるいはイカの塩辛などの珍味を少しずつなめるようにつまみながら、熱燗をちびりちびりと飲むのがいい、と思うのではないでしょうか。
冬なら炬燵に入って好きなつまみを相手に、自分のペースでじっくりと熱燗を味わうのもおつなものです。「もう1本、燗つけて」と妻に頼みながら、時には一緒に熱燗を楽しむ。子どものこと、仕事のこと、今日起こった出来事、どんな話もお酒とともにじんわりと心にしみ込んでいくような優しい時間。お互いのお猪口に熱燗を注ぎながら楽しむこんなひと時は、夫婦にとって至福の時です。
また、旧友と飲み交わす時間も年を重ねるごとに味わい深くなるもの。何十年と付き合ってきた仲間だからこそ酒とともに過ぎる宝石のような時間。幼少時代、やんちゃをしていた若い頃、立派に成人した子どもたちのこと、孫のこと、家族との別れなど、熱燗とともに交わされる会話は、まさに人生そのもの。年を重ねれば重ねるほど、こんな時間がたまならなく好きになるものです。

お猪口に熱燗を注ぎながら楽しむひと時
熱燗にするなら、ふくよかな味わいですっきりとした後味の酒がいいもの。「栄冠 白真弓」 「飛騨乃やんちゃ酒」 「特撰 白真弓」は、熱燗にしてもとても味わい深い酒です。
また、「芳醇 白真弓」も食中酒にぴったり。鍋をつついて、漬け物をつまんで、会話を楽しんで、その間にうま味のある熱燗をなめるように味わう。決して贅沢ではないけれど、心の奥底まで幸福感で満たされる。おいしい熱燗は、そんな豊かな時間をもたらしてくれます。